なぜ、ビジネスパースンに不白流なのか

フランスを初め、今また何度もの大きな波を経て、新たに日本文化ブームが世界を席巻しています。なぜでしょう?LOHASをはじめ、健康的で質の高い生活が見直されると、カロリーが低く基礎代謝をあげる上、美味しく、器や盛られる料理などで季節感を演出できる日本料理や、建築そのものが「クールビズ」といえる、夏向きに建てられた日本の家屋、畳の香りによるアロマセラピー、などなどブームの理由はかなりありそうです。そして、それら日本的なスタイルそのものは元を正せば茶の湯の世界で完成したもの。洗練されたホスピタリティもマナーも稽古を重ねた方々に見ることが出来ます。また修練された形の美しさに価値観を感じるのは、もう理屈ではなく、私たちのDNAそのものかもしれません。
 

さてそんな茶の湯、茶道の世界には幾つかの流派があります。もとは中国から日本の高僧達が仏教とともに日本にもたらした、喫茶法や禅宗の思想を元に知識人たちが編集したスタイルを、書院というサロンで一部の特権階級の為に披露していたものです。これが、日本的な成長をして「侘び茶」となって千家のお茶となるわけです。皆様ご存知の利休などの天才達が歴史上に現れ一気に花開きました。江戸幕府長期政権の世の中になって、思想的には幕藩体制を支える儒教的な考えが中心となって、禅宗が思想的バックボーンの茶道は以前と比べますとチョット肩身の狭い時代が来ます。まして千家のお茶の大本山は江戸から遠い京都。そこで表千家のハートのエース、川上不白が登場するわけです。つまり京都本社から東京支社長として派遣された川上不白は京都の表千家という、富を持つ者ならステータスとして拘りたいセクトの生活スタイルをそのまま江戸に持ち込みました。それで十分のはずがとんだ見当違いでした。政治、経済、新しいトレンドの中心、江戸の人々はまずとても忙しい。スノッブで身勝手。究極のコミュニケーションの設えとして考案された小さく暗い茶室などには目もくれません。明るく広く風通し良く快適でモダンな江戸スタイルを望むのです。また御点前や道具なども、シンプルで華麗なものがベター。但し数百年の歴史と過去には天皇や貴族、大名しか許されなかった京都の千家というブランドに拘りたいのです。このようなニーズをマーケットから敏感に感じ取って京都の千家をモダンな江戸スタイルに編集しなおし、地道な営業活動。まずは集まりやすい神田にセンターをもうけ、広告塔となるべきセレブリティに教授し、有力な企業にメセナを要請。好みものという名の下、様々な道具を世に出し、茶道文化を背景にした説明商品群を構成。次期家元の教育に京都に帰って後継者養成にも余念がありませんでした。

茶人をこんな形で分析してはきっと各流派の家元の皆様方にお叱りを被るのは覚悟であえて申し上げたのは、現代のビジネスパースンにとって文化も時にはビジネスのツールになり、茶の湯こそはその宝の山で、利用すべきだと思うからです。

お茶は決してリタイヤした後の趣味ごとだけではありません。それなら私のようなタイプが心酔して関わるとお思いになりますか?これからこのサイトを通じてもっと深く、広く、洋の東西、古典とモダンを時間遊泳しながらお話するつもりでおりますのでお楽しみに。

私は一つ流派に拘って狭い見方をしたくないので、いつもあえて肩書きは「茶道家」としていますが、やはり流祖不白には惚れ込んでいます。

不白を知らずして、江戸文化を語る事なかれ。東京を語る事なかれ、なんてね。

もっとまじめに深く不白を知りたい方は、拙著「和ごころで磨く」をご高覧頂いた上高輪校にお越し下さい。

えー営業もしますよ。スーパービジネスマン川上不白のファンですから。

 
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